- 営業職に将来性はあるのか?
- Webでモノを買う時代に、営業は必要無くなるのでは?
- AIの発達により、営業は将来必要とされなくなるのでは?
上記は、営業職として働く20代、30代の若者は誰もが抱く不安ではないでしょうか。
結論から言うと、これからの営業は優秀な人だけが生き残ります。
なぜならAIやITにより効率化が進み「考えない営業」が淘汰されていくからです。
優秀な営業とは「今結果が出している人」ではありません。時代の変化に適応し、必要とされるスキルを絶えず追求する人のこと。
そこで本記事ではAI・IT時代の営業の将来性と、生き残りのために身に着けるべきスキルを解説します。
- 将来も営業職は残るが、優秀な人のみになる
- 将来的に営業でいるメリットデメリット
- 営業に将来性を感じないなら他のキャリアを選択することも大切
- 将来を生き抜く20代のキャリア戦略
この記事を読むことで、あなたが今後も営業としてやっていけるかどうかがわかります。
この記事から「自分はもう営業はムリ」となる人もいるでしょう。
しかし安心してください。それなら他の将来性のある仕事に就けばいいだけです。
記事の後半では営業経験が武器になる、将来性のある他の仕事も併せて紹介します。
営業を続けるにしても、辞めるにしても今までの営業経験は無駄にはなりません。自分のプラスとするために、ぜひ最後までご覧ください。
- 大手就職情報サイト専属ライター
- 営業職経験8年
- 転職経験2社
【結論】営業職に将来性はあるが、無くなる営業もある
結論から言うと、営業職はAIやITの発達により、将来的には必要とされる営業と、無くなる営業の二極化が進みます。
というのも、営業職と一言で言っても様々ありますよね。
- 飛び込み営業のような、数打ちゃ当たる戦法の営業
- 顧客のニーズに合わせたルート営業
- コンサルティングに近い営業
簡単に言えば「何も考えずにできる営業」はAIに置き換わり、AIの苦手分野である「お客様の悩みを察知し、提案できる営業」は今後ますます必要とされるでしょう。
将来性のない営業の特徴
将来簡単にAIに置き換えられるのは、次のように「数を打てば当たる」という理論で行動している営業です。
- 飛び込み営業
- テレアポ営業
- ひたすら外回り
上記のような営業は、すでにWebやAIによって淘汰され始めています。多数の人に接触する方法は、Webがもっとも得意とするものだからです。
Webによって営業職が奪われた例
例えば、子供向けの教材を販売するとします。
従来は対象年齢の子供がいる家庭を地域から調べ上げた上で、1つ1つ電話営業するしかありませんでした。
しかしWebの到来により、「子供の教育に悩んでいる」親にピンポイントでWeb広告を届けられるようになりました。これはGoogleがネット利用者の検索ワードや検索履歴を全て把握しているためです。
しかも、Web広告は表示されただけでは費用は発生しません。
広告に興味をもち、クリックした場合のみ料金を払えば良いので、広告を出す企業にとってはとても費用対効果が高いのです。
【事実】「ただの営業職」は既に減少している
事実、総務省の調査によれば営業職は2000年から20年で100万人も減少しています。
【参考】総務省統計局「労働力調査年報」(ダイヤモンド・オンラインより)
2000年といえば、ネットショッピングが本格化し始めた年。
- Amazonの日本上陸
- ユニクロや無印良品が通販に参入
ちょうどこの頃から営業職が減少している事実は、生産性の低い営業マンが次々とITに置き換わっていることを裏付けています。
将来性のある営業職とは
将来にわたって必要とされる営業は以下の通り。AIに置き換えできない仕事ができる人です。
- 顧客の潜在ニーズを汲み取れる
- プロジェクトを立ち上げ、先導できる
- データを活用し判断・コンサルできる
顧客の潜在ニーズを汲み取れる
潜在ニーズとは、顧客自身もまだ自覚していないニーズのことです。
潜在ニーズは自覚がないので、顧客が自力で解決策を見つけられません。ここに営業の価値があります。
例えば「自転車が欲しい」と言う顧客がいたとします。
ニーズは「自転車が欲しい」あるいは「早く移動できる乗り物が欲しい」という物だと思うかもしれませんが、よくよく話を聞くことで、全く違う悩みが隠れていることがわかってきます。
自転車が欲しい
↓なぜ?
朝、家から出るのが遅くなってしまうから
↓なぜ?
夜ぐっすり寝れていないから
↓なぜ?
枕が合わない、マットレスの質が悪い
上記のように悩みをヒアリングしていくと、この顧客に必要なのは自転車ではなく、枕やマットレスであることが見えてきます。
これが潜在ニーズです。
潜在ニーズは自覚がないので、Webで解決策を検索すらできません。顧客が調べられるのは「自転車」についてだけです。
潜在ニーズは顧客との密接なコミュニケーションの中で発掘されるため、AIに代替されにくいのです。
プロジェクトを立ち上げ、先導できる
会社にとって必要なものは何かを考え、その実現に向けてプロジェクトチームを立ち上げ、先導できる営業マンはいつの時代でも重宝されます。
変化が激しい現代では特に、スピーディーに組織を動かせる人間が必要だからです。
そのためには以下のように様々なスキルが必要であり、優秀な人でなければ実現は難しいでしょう。
- 情報取集能力
- 課題発見能力
- 論理的な説明能力
- プレゼン能力
- リーダーシップ
データを活用し判断・コンサルできる
AIやITを駆使して、重要な判断を下せる営業マンは今後も重要です。
AIやITは膨大なデータの分析は得意ですが、最終的な判断を下すことはできないためです。
また、「AIやITを使って何をするか」といった目的を作ることも人間の仕事には必要です。
重要なのは「AIやITを使うこと」ではなく「AIやITで課題を解決すること」なので、解決すべき課題や目的を見つけ出すことが今後の営業には不可欠なスキルになっていきます。
営業職に将来性を感じなければ早めのジョブチェンジも大切
ここまで「将来性のない営業職」「将来性のある営業職」について解説しました。
「今後も将来性のある営業マンになれる気がしない。。。」 と不安に感じた人は、営業から他の職業にジョブチェンジするのも一つの手です。
特に下記の項目に当てはまる人は正直、営業にあまり魅力を感じていないのではないでしょうか。
- 自分のペースで仕事がしたい
- 責任感が強すぎる
- 人に仕事を頼みづらい
この辺りは「向き不向き」なので、営業が嫌だと感じる自分に責任を感じる必要はありません。
筆者も営業出身ですが、営業に苦手意識を覚えて違う職業に転職した結果、とても良い就業環境を得ることができました。
営業職としてのキャリアが不安なら、一度ご自身に向いてる職業を探してみてください。
リクナビの「グッドポイント診断」なら、無料で誰でも自分の強みや向いてる仕事がわかるので、 1度やってみるのがおすすめです。
将来も営業の仕事を続けるメリット・デメリット
AI、IT時代の今後も営業の需要は残り続けますが、生き残るには相当な努力が必要です。
それでは、自らが優秀な営業マンになるべく努力するのと、他の職業にジョブチェンジするのではどちらが将来性があるでしょうか。
AI時代も営業職を続けるメリットとデメリットを紹介します。
メリット | デメリット |
---|---|
ロジカルシンキングが身に付く 能動的な姿勢になる 独立につながりやすい | 自己投資に使える時間がない 専門的な知識は身に付かない テレワークでは働けない 精神的なストレスが大きい 成果が出ない時は収入が下がる |
総括すると、野心的で物怖じしない人は今後も営業として活躍が期待できるといえます。
逆に慎重な人や、自分からグイグイいくのが得意でない人は、もっとあなたに向いている職業がある可能性が高いです。
自分に向いている仕事はこちらで見つけられるので、参考にしてください。
それではメリットデメリットを解説していきます。
営業職の将来におけるメリット
- ロジカルシンキングが身に付く
- 能動的な姿勢になる
- 独立につながりやすい
ロジカルシンキングが身に付く
ロジカルシンキングとは論理的思考力のことで、論理的に相手に説明したり、課題を解決するために必要な思考です。全ての職種においてなくてはならない能力ですが、特に営業職ではこの力が非常に鍛えられます。
なせなら営業職は常に相手を納得させる説明が求められるからです。
例えば、お客様との商談では相手に「この商品を買うメリットがある」と納得してもらわなければなりません。そのためには根拠と主力が明確で、論理的な説明が必要です。
た商品が売れる見込みが立った場合、今度は大急ぎで社内の製造部に生産を指示しなければなりません。社内を動かすにしても同様に論理的な説明が必要です。理由を理解させずに人を動かすことは、同じ社内であっても不可能です。
このように、営業職は常に論理的な説明により人を動かす必要があるため、ロジカル思考が自然と身につきます。
ロジカルシンキングはどの仕事にも活用できるので、ジョブチェンジしたとしてもあなたに大きな利益をもたらします。
能動的な姿勢になる
能動的とは、自ら他人に働きかけて行動することを指し、「受動的」の反対の意味です。
営業はお客様に提案したり、社内の人間に働きかけてプロジェクトを動かしたりするなど、 能動的なアクションが必須です。お客さんが向こうから寄ってきてくれることは非常に稀で、 とにかく自分が動かないと、売り上げを出せないからです。
能動的な姿勢は、営業には昔から求められていましたが、他の職種でも重視されるようになりました。世の中の変化のスピードが格段に上がったことで、上司からの指示を待っていては その変化に対応できないためです。
社員1人1人が変化を察知し、能動的に動いていかなければ、これからの社会は生き抜けません。 そのため、仕事の指示待ち人間や、他の人が判断するまで次のアクションが取れない人材は今後の社会では活躍の場がなくなっていくでしょう。
営業では能動的にならざるを得ないので、自ら動く力が強制的に養われます。
独立につながりやすい
会社から独立する人は、営業経験者が多いです。 営業は、他の職種と異なり会社全体を包括して仕事をしているためです。また、下記のように独立後に必須の経験を積めるのも大きな要因といえます。
- 売り込む経験ができる
- プロジェクトを回す経験ができる
- 金銭感覚が身に付く
優秀な営業マンはよく「自分を1人の会社」だと思って仕事をしていると言います。
それだけ営業と経営は密接な関係があり、営業をしっかり身につければ企業しても難なく軌道に乗るでしょう。
営業職の将来におけるデメリット
自己投資に使える時間がない
専門的な知識は身に付かない
テレワークでは働けない
精神的なストレスが大きい
成果が出ない時は収入が下がる
自己投資に使える時間がない
営業職はどうしても残業・休日出勤が多くなるため、自己投資に使える時間が少なくなります。 営業の特性上、顧客の都合に合わせたり、突発事象に最前線で対応が必要なためです。どれだけ自分の仕事が早く終わっても、急な呼び出しで残業というのは日常茶飯事。 このような働き方だと、自己投資にかけられる時間はどうしても少なくなってしまいます。
他の職業であれば計画的に仕事をこなし、余暇で英語の勉強をしたり、お金の運用の勉強が計画的に可能です。自己投資は自分の可能性を広げ、将来を豊かにするための鍵ですが、営業職ではその時間の確保が非常に難しいと言えます。
専門的な知識は身に付かない
技術職・専門職などと異なり、高度な専門知識がつかないのもデメリットでしょう。
営業は狭く深い知識よりも、「広い」知識が必要となるからです。広い知識を入れようとすれば、 必然的にそれぞれの知識を「浅く」せざるを得ません。 営業は「広いけど浅い」知識しか身につかないのが実状です。
つまり営業職1人1人は「会社に絶対に必要な人材」とはなりません。
生き残るためには、常日頃自分の存在意義を数字で示し続けていかなければならないのです。
テレワークでは働けない
テレワークにより多様な働き方が実現している昨今ですが、営業職はテレワークで働くのは難しい職業です。
なぜなら、テレワークでできないリアルなやりとりこそが営業の存在価値だから。
テレワークは様々なメリットがありますが、営業職はその恩恵を享受できません。
- 通勤時間(客先への移動時間)がかかる
- 人間関係のストレスは減らない
- 住む場所を選べない
精神的なストレスが大きい
筆者の経験上、営業の最大のデメリットはストレスの大きさでした。 営業は顧客と社内の板挟みになるからです。
顧客は厳しい要求をしてくるので、その通りに社内に働きかければ必ず反発が起きます。 かといって、社内の要望通りに顧客と調整しようとすれば、他の会社に出し抜かれてしまいます。
このような板挟み状態が納期、品質、価格など、あらゆる面で発生するため、 営業は精神的なストレスが非常に多くなってしまいます。
自分が悪いわけではないのに双方から文句を言われてしまうので、短期な私には耐えられないデメリットでした。
成果が出ない時は収入源&降格もある
営業職は成果主義の面が強く、成果が出れば収入も昇進も良い待遇が見込めます。 しかし反対に成果が出なくなれば、収入は一気に下がり、降格もあり得る世界です。
過去にどれだけ成果を上げたとしても、その後うまくいかなくなれば、評価は突然一変します。 このような不安定さ、給料が下がる恐怖心は営業特有のデメリットでしょう。
将来の営業職に必須なスキル
厚生労働省の調査によれば、大手企業の経営層が、将来の営業職に求めるスキルは下記の通りです。
- 課題発見力
- マネジメント力
- 意思決定能力
- プレゼン力 傾聴力
- AI・ITを使えるスキル
課題発見力
今までは課題「解決」に重きが置かれていましたが、これからは今後はそのものを「発見する」能力が求められます。なぜなら、それこそがAIに代替できないスキルだからです。
課題発見能力とは、特段問題がないと思われる状態でもさらにより良い状態をイメージする力です。
- より良い状態を考える
- 理想の状態を考える
という想像的な仕事はAIにはできません。人だからこそできる仕事です。
課題発見力のある営業マンは、顧客が想像しえない理想の状態を提示し、自社製品の販売に難なくつなげます。
マネジメント力
マネジメント力とは、組織に役割やミッションを共有し、組織の成果を最大化させることです。
会社の最前線に立つ営業には、このマネジメント力が不可欠です。AIに仕事がどれだけ置き換えられても、仕事をするのは最終的にはヒトだからです。ヒトは機械とは違い、感情により大きく生産性が増減します。
テレワークやオンライン会議の浸透により、プロジェクトチームのメンバーが直接顔を合わせる機会が激減するなかでも、マネジメント力を発揮できる営業は、会社にとって不可欠な存在となります。
意思決定能力
意思決定能力とは、簡単にいえば「判断する力」です。 AIにより細かな分析は可能になりますが、実際に重要な判断を下すのは 人間にしかできません。
重要な判断を自分自身の責任で行い、かつ社内や顧客を納得させられるだけの 説得力を持つ営業が求められています。
傾聴力
「傾聴力」とは、相手の話にしっかり耳を傾ける能力のことです。
顧客の話を聞くことで、抱えている問題やニーズ、そしてその問題が起きている根本原因まで理解できるでしょう。 その原因の解決策として自社製品を提案すれば、製品は簡単に売れます。
しかし、顧客の話を聞かずに一方的に営業がセールストークを始めてしまったらどうでしょう。顧客の興味のポイントがわからないまま説明するので、あれこれ話しても的外れで全く相手に刺さりません。
八百屋に来ているお客さんに、電化製品の説明をしているようなものです。
AI・ITを使えるスキル
AI・ITを使いこなせれば、仕事の質が向上し、生産性が高まります。 特に事務処理などは機械化できれば、生み出した時間を戦略を練る時間に使ったり、 人脈を広げる時間に充てたり、最新の情報を勉強したりできます。
従来のやり方にとらわれず、柔軟に仕事のやり方を変えていける人が今後生き残っていくでしょう。
【将来もずっと続ける?】営業職のキャリアプラン
営業職は今後も一定の需要はあり続けます。とはいえ、ずっと営業職で第一線で活躍するのは大変です。営業は体力勝負の面もあるので。
では営業出身者は長期的にはどのように自分のキャリアを設計すれば良いのでしょうか。 これから期待できる営業のキャリアは、下記のいずれかでしょう。
- 管理職として営業部門単位での売上貢献
- マーケティング・コンサルティング部門へ転属
- 独立する
管理職として営業部門単位での売上貢献
営業のプレイヤーではなく、管理職として営業部門全体をまとめ上げるポストです。もっとも一般的なのがこの道でしょう。
ただし、プレイヤーとしての成績が優秀だった人が就任する役職なので、同期や年代の近い先輩後輩との競争に打ち勝つ必要があります。
マーケティング部門への移動
営業の知見を活かして、マーケティング部門への移動も有力です。 営業として顧客を直でニーズを感じていた経験は、マーケティングにおいても非常に重要です。 ただしマーケティングには長期的な目線・戦略が必要なため、営業にはない視点は後から 養わなければなりません。
独立する
営業職には独立の道もあります。 自分自身の力で商品を売るスキルがあるので、あとは売るものさえ見つければ誰でも 独立できてしまいます。 実際独立開業する人は営業職出身が大半ですし、営業経験のない人は開業前に必死で営業のイロハを学びます。 企業はハードルがとても高いイメージですが、やることは営業職が会社でやっていることと大差はありません。
独立には「売る物」を身につけよう
独立するには売る物がなければなりません。 人の商品を売って手数料をもらう手もありますが、それでは利益率が低く儲かりません。
高い儲けを得るには、自分自身の「スキル」を商品にするのがもっとも効率的です。 今後、売れるスキルとして期待できるものは下記の通り。
- Webライター
- プログラミング
- コンサルティング
- コーチング
- SNS代行
どれも比較的簡単に身に付くスキルにも関わらず、IT時代の今は非常に高値で売れています。 主婦でも何百万と稼ぐ世界です。
ここに営業力をもった人間が参戦すれば、正直無双状態です。
かくいう筆者も、営業出身の経験を活かして副業したところ、副業でも月20万は軽く達成できました。
将来独立を考えている人は、ぜひ自分の売れるスキルを1つ磨いておきましょう。
【まとめ】営業職は将来も必要とされるが、競争は熾烈になる
この記事では、AI時代の営業職の将来性について解説しました。 結論、営業職はなくなるどころか今後も重要な役割として残ります。 ただし営業職として生き残れるのは、少数の優秀な人間だけでしょう。
つまり、将来の営業は競争が熾烈で、コスパは良くないと言えます。
ITやAI開発により需要が生まれ続けているプログラマーやITエンジニアの方が、今後は安定と高収入が見込めます。
プログラマーやITエンジニアの他にも、2022年以降も効率よく稼げる職業を「【2022年版】将来性のある仕事ランキングベスト11」の記事で紹介していますので、こちらもぜひご覧ください。
コメント